2009-01-01から1年間の記事一覧

訴因の特定について

ある刑事事件を受任した。 悩ましい、最大の法律上の問題は、訴因の特定についてである。 公訴事実には、 例によって、「・・・不詳の方法により、同人を死亡させて殺害した」と記載されているが、殺害日時(時刻)、殺害場所、殺害方法、殺害の凶器や物的証…

10.13集会妨害国賠訴訟

平成21年7月6日 東京都の準備書面(3)について ここまで、公安警察、東京都がデタラメな主張をしてくるとは。 1)東京都の主張は、集会に革マル派が関与しているという、全く根拠のないこと。 ほぼ準備書面の半分を占める。 2)特に、驚かされたのは…

第2回福岡事件シンポジウム開催のお知らせ(石川一雄、鎌田慧をお迎えして)

叫びたし寒満月の割れるほど 第2回シンポジウム 「冤罪『福岡事件』の再審開始を求めて」の開催のお知らせ 石川一雄と鎌田慧さんをお迎えして 日 時:2009年6月20日(土) 場 所:専修大学神田校舎一号館204教室 主 催:専修大学今村法律研究室、…

福岡事件ファイル

●福岡事件 発生から29年後,被疑者2人に対し唐突な死刑執行と恩赦。 http://yabusaka.moo.jp/hukuokagosatu.htm 1947年5月20日,福岡市で闇ブローカー2人が射殺され,現金8万円が盗まれた。警察は軍服闇取引に絡む計画的な強盗事件として,1週間後に西…

冤罪「福岡事件」の再審を求めるシンポジウム開催のお知らせ

叫びたし寒満月の割れるほど 「冤罪『福岡事件』の再審開始を求めて」 シンポジウムの開催のお知らせ 日 時:専修大学神田校舎一号館106教室 主 催:生命山シュバイツァー寺 古川龍樹 後 援:専修大学今村法律研究室 Ⅰ.シンポジウムのプログラム概要 13…

麻生鉱業と朝鮮人強制連行

西成田豊氏の論考を読んで (『世界』2009年3月号) 今時、「強行連行否定論」が公然と、総理大臣の教育係から語られているこの唖然としていたが、西成田氏の指摘は正鵠を得たものであり、歴史的な事実を踏まえていると確信する。 かって、林えいだい『…

 「国連人権規約委員会総括所見のもつ意義」のシンポに参加

2月26日東京三会の開催したシンポジウムに参加した。 講師:新倉修、寺西誠、海渡雄一氏と田鎖弁護士。 わが国の人権状況を国際社会がどのように評価しているかを、自由権規約委員会の総括所見から教えて頂いた。 主要かつ喫緊な個別的人権課題 1)取り…

『父とショパン』を読む

ある会合で、崔善愛さんにお会いした。 その折り、お書きになった『父とショパン』を入手した。 そして、ゆっくりと読んで、感じてみた。 自分の担当する授業科目と国籍が強く関連するところから 従前から興味と関心を持ち続けてきたこと。 体験者でなければ…

親子を分断する入管の人権感覚

わが国では、北朝鮮による拉致問題、中国のチベット政策、ミャンマーの軍事政権などが人権の問題として取りざたされることが多い。 しかし、日本は、人権後進国であることが自覚されていない。 2008年10月28日と29日に開催された国連自由権規約委…

憲法21条訴訟

矢澤団長の意見陳述 意見陳述書 2009年2月23日 東京地方裁判所民事33部 御中 弁護士 矢澤磤治 私は、この訴訟が日本国憲法の下で基本的人権とりわけ集会の自由と表現の自由を擁護するために、司法が果たすべき役割と歴史的意義を中心として意見を陳…

東京都 盗撮を認める

21条訴訟(憲法21条) 10.13集会妨害国賠訴訟)速報 2月23日東京地裁で第1回期日 準備書面(1)の陳述 被告 東京都 盗撮の事実を認める。 「本件集会当日、東京都中野区所在のカフェベローチェ中野駅南口店店内において、警視庁警察官が本件集…

河井継之助

河井継之助 久しぶりに、時代物を読む。 綱淵謙錠の『戊辰落日(上・下)』(文藝春秋社)である。 でも、会津藩は、触れずに長岡藩だけ。「光芒」「絶唱」 中野好夫『世界史の十二の出来事』で、河井継之助を文字の世界で知った。 司馬遼太郎『鬼謀の人』「…

高橋睦郎「花をひろう」を読む(朝日、2/7)。 上海に遊学した折りに関心を持った事の一つが「菊」 市街地では、葬式を滅多に見ることができないが、たまたま遭遇。 葬と「菊」の花。 漢民族では、弔いの時だけになぜ菊を用いるのか。 そうです。菊は、「…

福岡事件の支援者懇親会に出席して

まず、中田直人弁護士の訃報 日本の司法を支えた偉大な弁護士の死に謹んで哀悼の意 さて、福岡事件では、再審請求の承継人の大問題がある。 是非、ご家族・親族の御理解を賜りたい。 2月6日、新宿で古川龍樹さん、関東学院大学宮本弘典教授、イエズス会の…

齊藤ヒデさん お悔やみ

冤罪松山事件の齊藤幸夫さんのお母さんが亡くなられた。 お悔やみ申し上げます。 冬の仙台と松山事件 真に言い訳けがましいのです。私は、熊本大学に赴任するする前、仙台で大学院時代を過ごしました。研究室から北門から真っすぐ町に出ると南町、そこに地元…

  9条危機なら運動に軸足

益川教授は、 ノーベル物理学賞に相応しい、まさしく本物の研究者。 「本当に9条が危ないという状況になれば軸足を研究から運動の方に 移す」と。 (朝日新聞1月31日) 思い出すことは、長岡高校の英語の授業。 B.ラッセルの論文を読んだ。 平和への思いを…

一時

友人から「一時」(喜久水酒造:能代市)をいただいた。 実に、旨い。「能代」も勿論だが。 一時にうちに,一升が消えた。 今度は、「十時」がいいな。 http://www.chuokai-akita.or.jp/osake/kikusui/ SHOJI YAZAWA

死刑4人執行

森英介法相の下での、再度の死刑執行 厳しい国際批判も受けているにもかかわらず。 オバマ大統領並に SHAMEFUL ! SHAMEFUL !

集会妨害国賠訴訟への所信

10.13集会妨害国賠訴訟に向けての所信 おおとり総合法律事務所 弁護団長 矢澤磤治 一言、この訴訟の果たすべき役割についてお話しいたします。私は専修大学の今村法律研究室の室長をいたしております。今村とは今村力三郎であり、今村は、明治から大正…

裁判員制度は、違憲

裁判員制度は。違憲です。 裁判員制度の施行が間もなくに迫った。 この制度を巡っては、様々な議論がなされ、 弁護士会の会長選挙でも、それが争点となっている。 私は、裁判員制度に反対である。NHKのニュースジャーナルでもお話ししたように慎重派ではなく…

猫族と犬族

今日で、法科大学院の授業も終わり、ちょっと一息。 ある新聞記事で、猫の目線の話があったので、一言。 実は、人には、犬族と猫族があるそうな。 人に懐く犬派と家に懐く猫派。 私の家には、子供の頃から、必ず猫がいた。 そんな次第で、私はどちらかと言え…

泡瀬干潟の危機

テレビで放映された泡瀬干潟へのヘドロの排出を見た。 環境の破壊を許すまじ。 即刻、へどろの排出の中止を ! 守る会のホームページの内容を貼り付けた。 著作権の侵害ではありましょうが。 「サンゴの海が土砂により生き埋めになります!! 新港地区FTZ・…

「法の支配」への回帰

オバマ新大統領の就任の記事とともに 「「法の支配」回帰を象徴」の記事を読む(朝日新聞2009年1月21日朝刊)1975年共和党G.フォード大統領により最高裁入り。 前回の大統領選出時、フロリダ州での開票混乱でブッシュ氏の勝利を認定する最高裁…

北島亭

友人夫妻と「北島亭(L’ile de nord)」で食事。 シェフとは、ストラスブールでの 32年前からのつき合いで、おかげさまで、ワインもフランス料理も食する習慣が身に付いた。 おいしさがわかる。 香りも、盛りつけの美しさも、すべての感性を教えてもらえる。 …

「姨捨」を読む

1月17日、高田馬場駅BIG BOXの古本市 井上靖の短編集『姨捨』(昭和31年)などを購入。 久しぶりに、井上靖の書物に目をとおした。 「姨捨(をばすて)」は、木下恵介監督の映画でも知られていたが、棄老伝説にかかるこの短編を読むのは初めて。長野…

明科事件と警察官吏功労記章制度

『世界』2009年2月号を読む。 「泡瀬干潟埋め立て差止判決の意義」やら「「沖縄ノート」訴訟と表現の自由」など評論したい論考が多々あったが、今回は、「大逆事件」(田中信尚)(荻野富士夫)。 大逆事件の発端とされた明科事件の地、明科公民館には…

後藤昌次郎弁護士と飲む

新春、晴れやかな場所で、後藤弁護士と再開。しばらくぶりに、居酒屋で飲んだ。 間もなく85歳の誕生日。「理」と「事実」を大切にし、「自然」を醸し出す必要性を説かれていた。 後藤弁護士といえば、冤罪。 しかし、草笛も魅力的。 最近は、聞く機会はな…

大逆事件と特別高等警察(特高)

大逆事件に関連して、特別高等警察(特高)の歴史を尋ねた。 この警察の忌まわしい思想弾圧の極みである仕組みは、大逆事件を契機に設けられた。大原研の貴重な情報に感謝。http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp特高警察 特高の歴史は、鮮血にまみれた人権蹂躙…

ル・コルビュジエ(Le Corbusier)のロンシャン教会

過日、民放でフランスのロンシャン(Ronchamp)にある教会を巡る番組を見る機会があった。ル・コルビュジエの設計した礼拝堂(Notre Dame du Haut)である。 http://www.fondationlecorbusier.asso.fr/ パリに住む友人の奥様のふる里にある教会。 鉱…

カムイ伝に再会

田中優子著『カムイ伝講義』に触れ、白土三平の『カムイ伝』(小学館)21巻に再会した。格差社会が問題視されている今、私は、江戸時代の支配と裁判と刑罰の世界に注視して、読み続けた。 容赦のない苛斂誅求に耐える百姓、怒りの一揆で立ち上がる百姓 こ…