DNA再鑑定決定

 今年の7月1日、袴田事件では、第9回三者協議で「5点の衣類」のDNA再鑑定実施が内定しており、8月25日に、正式な決定をみた、袴田ひで子さんに架電したらほころぶ顔が見えるような声であった。冤罪を雪ぐ方向に、事態はすこぶる好転した。ズボンが鑑定対象とならない理由はわからない。
 本棚から『Q&A DNA型鑑定』(押田・岡部、現代人文社)、『DNA鑑定』(勝又、名大出版会)を取り出した。
 以前、受任した殺人事件のDNA鑑定も杜撰極まりなく、チャートも手書きであったり、全資料の消費はもちろんであった。
捜査の資料だったものが、突然鑑定の名で用いられたりした。そして、内縁の妻が台所の床にこれらの毛髪があったことが有罪の決め手となったが、上告趣意書の提出後、2年過ぎても、最高裁は、鳴かず飛ばずである。