冤罪の道具:供述不能

 新銀行東京(「不正融資は氷山の一角だ」)の詐欺事件関係で、
上告人の冤罪を論ずる上告趣意書を、ようやく書き上げた。
  
  しかし、またもや、わが国に司法の不条理を実感した。

   保釈された後逃亡した、分離公判前の相被告人の検察官調書は,刑訴法第321条1項2号前段に定める「供述不能」の場合に該当しないと解されるべきではないか。
  
 相被告人Mについて、上告人に不利な(虚偽内容の)検面調書を作成し、弁護人らは、その調書を不同意とした。ところが、Mは、保釈され、公判前に逃亡したのである。この逃亡の結果、これらの調書は「供述不能」扱いとなり、全面的に証拠能力を有するとされるというのだ。

 なぜ、逃亡した者の(虚偽の)調書に証拠能力が認められることになるのか。

  冤罪は、山ほどに、いとも容易に作ることができる。